「生還を期さない兵器」特殊兵器への志願を問われた時、少年たちが受けた説明はそれだけだった。様々な憶測が飛び交う中、志願した少年たちはある島へと送られる。その島で少年たちが見たものは…!
本土決戦を目前に、作戦海域へ到着した 伊53潜は、17隻からなる大輸送船団と遭遇。艦長は数的不利を鑑み、敵を分断する策を試みる。だがその作戦の最中、艦長は負傷。敵の護術艦が迫る!
書評・レビュー・感想
第二次世界大戦の際に、大日本帝国海軍が作成した究極の兵器・人間魚雷「回天」をテーマにしたマンガであるが、Kindle版が1冊11円で販売されていた時に8巻分購入して一気読みした。
これをフィクションと捉えるか、ノンフィクションと捉えるか、実際は、史実を元にした創作であるが、現代との時代性の違いの反映はやはり難しいものなのだなあと感じた。これは評価の分かれるところだと思う。内容が内容だけに、読後は、ちょっと憂鬱な気分になる。
主人公に現代の若者の視点が一部投影されている点をどう見るか?
随時出てくるのが、「何のために生きているのか」という視点である。著者が訴えたい部分であり、重要なテーマだと思うが、どこまでリアリティを感じることができるか?その難しさが主人公の設定の難しさになったのだと思う。
回天で敵艦に突っ込むまでの隊員の葛藤やその悲惨さが描かれているが、命の燃やし方を考えるという発想の恐ろしさを感じた。その恐ろしさは、ISに対する恐ろしさと同種なのかもしれない。
著者の企みにワザと乗る気持ちがないとうまく捉えられない作品かもしれないと思った。