ビジネス書を読んでも年収は上がらない!!「ビジネス書ぶった斬り」3人組が〝読書を武器に生き残る知恵〟を伝授!
「何を読めばいいのかわからない」「どんな意識で本と接していけばいいのかわからない」といった声は、ビジネスパーソンや学生の方から、非常によく耳にします。一方、とりわけビジネス書界隈で顕著ですが、読者の茫漠とした危機感、不安感に当て込むようにして、「次はこのネタ」「次はこの話題」と焼き畑農業のように、あざとく本を売り抜けようとする著者や版元も存在しています。
これ以上、本に振り回されたり、その周辺で小賢しく振る舞おうとする人々に振り回されるのはたくさんです。そこで本書では「賢い読者になるための読書」という視点を強く意識しながら、全体を構成。より善き読書人を目指したい方にとって一助となるような、また、聡明な本読みとなるべく知見を蓄えたいと考えている方への補助線となるような、そんな本として役立てていただければいいなと、知恵を絞りながらまとめたのが本書です。
書評・レビュー・感想
以前読んだ漆原直行さんの「ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない」から派生したビジネス書というか啓蒙書に対する接し方のコツについて中川淳一郎、漆原直行、山本一郎という海千山千の3人からレクチャーを受けるという内容になっている。
ビジネス書や自己啓発書が好きな人への良薬でしょうな。
「ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない」を読んで以下の感想を持ったが、
本書は、ビジネス書の効用をけっして否定しているわけではない。ビジネス書を読んだだけで勉強した、成長した、きっかけをつかんだみたいな軽い高揚感に惑わさている人に注意喚起をしているだけである。ビジネス本や自己啓発本にはネタ本があり、だいたいそれらの派生書籍になっていることが多いので、大量にいろんなものを読むくらいなら、厳選したそのネタ本を読む方がいいと勧めている。著者はその厳選したネタ本として2冊例にあげている。それが、「7つの習慣」と「思考は現実化する」である。
本書を読んだ後も同じような感想を持った。
漆原直行さんには感謝したい。いい意味で!
本書の中で、漆原直行さんが以下のように述べていたが、ある程度、仕事をしていくと、そこに行き着くんだと思う。
仕事って、自分をどこのレベルまで持っていくのか、何を目指していくのか、という目線の高さもある程度は必要になるけど、うえを目指すのであれば、結局のところ目の前の仕事を粛々とこなして、実績を積み上げていくしかないと思っているんです。その結果、振り返ってみたときに、「あ、自分は成長できていたんだな」と気づくというか。仮に自分自身のことでいえば、10年前にいまの自分はまったく想像できていないですよ。
本書の中で山本一郎さんが「すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術」を薦めていたので興味を持った。読んでみたい。
仕事をされている方で、よく会社に行って、まずTODOリストに目を通してというセオリーを踏んでいる人っていると思うんですけど、この本のエッセンスを理解した上でTODOをまとめられると、仕事の優先順位だとか効率性をもう1回問い直すことができて、すごくいい。できれば半年に1回くらい読み返して、俺のセオリーは崩れていないか、チェックするといい。
漆原直行さんは、自己啓発本なら、「7つの習慣」、「思考は現実化する」、「人を動かす」の3つだけでいいとも述べており、1冊だけなら「7つの習慣」だけでもいいと。これは至言だと思う。全部読んだことがあるけど、ほんと、コレだけでいい。個人的には、デール・カーネギーの「道は開ける」を入れたい。正直なところ、「7つの習慣」と「道は開ける」の2冊でいいと思う。読書習慣のない人ならコミック版でもいい。本書では読み手の体力に関する話もあったし、非常に共感した。
漆原直行さんは、自己啓発について掘り下げたいなら松下幸之助の「道をひらく」を勧めていた。これは「7つの習慣」をアジア的自己啓発として言い換えたものとして位置付けていた。なるほどなあ。まあ人生の要諦は、古今東西に関係なく、普遍的なものなんだろうと思う。
山本一郎さんが会社をリタイアしてからガリガリに本を読んでいる60~70代の人に「なぜ本を読むのか」を聞いたら、「安らかに死ぬため」というのは、読書の行き着く先を照らしてくれたようで、ちょっとほっこりした。