中野のアパートで家族と共にひと夏を過ごすことになったアメリカ人フードライターが、立ち食いうどんや居酒屋、コンビニ、チェーン店に至るまで、ごく普通の日本の「食」と日常をユーモアたっぷりに、しかし日本文化への鋭い視点を交えてつづる。
スーパーで買い物し、ゴミ分別に悪戦苦闘する、単なる「観光旅行」ではない東京の日々。8歳の愛娘アイリスへの子煩悩っぷりも楽しい、最新・異国人食紀行!
「東京はどこか非現実的な都市だ。映画や小説に登場するような、ネオンサインがあふれる仮想現実都市(サイバーシティ)。商店街を歩けば、焼き鳥のにおいが鼻をくすぐる。子供は安心して外で遊べるし、親が付き添わなくても子供ひとりで電車に乗って遠出ができる。アメリカのおおかたの高級レストランよりも丁寧な接客態度で接してくれるドーナツチェーン店もある。犯罪や薄汚れた風景、味気ない食事とは無縁の巨大都市(メガシティー)」。
書評・レビュー・感想
アメリカ人から見た「東京の食」についてのルポタージュである。
アメリカ人親子が3人で東京・中野に1ヶ月住み、食べた食事について書かれている。
中野を拠点にしたというのもすばらしい。本書の冒頭には1ヶ月住むことになる中野のアパートや中野の飲食店について書かれているが、中野で10年以上飲み食いしている身からすれば、読みながら映像が浮かんでくることばかりである。とても身近に感じた。そして、東京の食についても非常にポジティブに書かれている。
日本人にとっても中野の良さが伝わる内容になっているのも元中野居住者としてうれしい。中野の香りが漂ってくるようだ。本書は翻訳本であるが、一般的な翻訳本に比べて非常に読みやすく、こなれている。訳者がいいのだろう。
あるアメリカ人からはこのように見えるんだなあという一面と、当たり前すぎて気がつかなかったことを発見させてくれる1冊となっている。フードライターである著者だけでなく、妻や子供(アイリスちゃん)の意見や感想もあって偏りのない自然な内容になっている。(妻はあまり日本食が好みでないようだ)
いやー子供も入れて家族一緒に1ヶ月くらい現地の「食」を楽しむために海外に住んでみたいなあ~
中野の商店街の知り合いに聞いたところ、ハリウッド映画になる?らしい。
もうすでに少しづつ撮影が始まっているとのこと。
いやー楽しみ!